ポイント!
- コンテンツIDはYouTube独特のシステムで「著作権を保護」するもの。
- 動画に使った音楽や映像が「著作権を侵害している」とYouTubeから通知があります。
- コンテンツIDに引っかかると「動画の収益化は不可」となります。
- 「自動検知システム」なのでミスという可能性もあり、そのときは「異議申し立て」できます。
どうもー!トールです(@tooru_medemi)
YouTubeに動画投稿するとき、切っても切れないポイントが「著作権」です。著作権を侵害すると、警告を受けたり、アカウントが削除されたり、最悪のケースだと刑事告訴されることも。
だから、YouTubeをやる以上は常に、著作権について注意しておきましょう。
わたしの「YouTube歴」2022.8 現在
- YouTube活動:約6年
- 運営チャンネル総数:これまでに10以上
- 動画投稿本数:1,000本以上
- 愛用編集ソフト:Wondershare Filmora
- 愛用画像作成ツール:Canva Pro
また、YouTubeには「コンテンツID」という自動検知システムがあって、著作権侵害をしている映像や音楽を見つけたら、すぐさま違反者に警告を通知してきます。
以下は、コンテンツIDによる自動検知の流れ。
- 動画をアップロード
- 著作権の侵害を検知
- 投稿者に警告を通知
BGMに使っていた音楽などが「コンテンツID」に引っかかることは、よく起こりえること。わたしも実際、過去には著作権侵害の通知をもらったこともありました(のちほど詳しく)。
そんなとき、ふとこう思いました。
- コンテンツIDに引っかかるとどうなるの?
- 著作権侵害をすると罪になっちゃうの?
ということで今回は、YouTubeの「コンテンツIDシステム」を理解して、著作権違反をあらかじめ回避する方法をお伝えします。
決して「裏ワザ」を紹介する記事ではありません!
正しい回避の仕方ですから、裏ワザを知りたい人はスルーして下さいませ。
また、著作権を気にせず使えるBGMや効果音などは、ほとんどの画像編集ソフトやツールに備わっています。こういったツールの音楽を使って動画を作れば、著作権のことを心配する必要なし。
わたしは操作性の良さと音楽素材の多さという点で、動画編集ソフト「Wondershare Filmora」と、画像&動画編集ツール「Canva Pro」の2つを愛用しています。無料版もあるので、よければ試してみてください。
コンテンツID(Content ID)とは
著作権者は Content ID というシステムを利用することで、YouTube 上の自分のコンテンツを簡単に特定して管理できます。YouTube にアップロードされた動画は、コンテンツ所有者が提出したファイルのデータベースと照合され、スキャンされます。
著作権者は、動画に含まれるコンテンツと自分の作品が一致した場合にどのような対処をするか決定できます。一致が検出されると、該当の動画に対して Content ID の申し立てが行われます。
引用元:YouTubeヘルプ
ある日、動画を投稿したときにこんなメッセージが・・・。
こんなふうに表示があったから、ちょっと冷や汗が出ちゃいました。
ただ、このメッセージが表示されていても著作権侵害に対する「警告ではない」ので、まずは安心してください。
「動画投稿者とは別の人が著作権を持っている素材が、投稿された動画に含まれているのが見つかりました」という通知だと思ってください。ここからしっかりと対応すれば良し。
なぜ突然メッセージが送られてくるのか?
冒頭でも紹介しましたが、YouTubeには「Content ID(コンテンツID)」という独自のシステムがあります。
この独自のシステムの役割は、YouTubeに登録されている著作権を有する音楽や映像が「投稿された動画に使われていないかを検知する」こと。
以下のように、すべて一致していなくても検知されます。
- 部分的に一致していても検知
- 映像の画質が異なっていても検知
また、YouTubeに投稿される動画はすべて「コンテンツIDに登録されているデータベース」と照合され、音声や映像の一致がないか調べられます。
わたしは実際に、過去にこのような感じで「通知」が来ました。
これは「どうぶつの森」のゲーム実況動画をアップロードしたんですが、速攻で通知が送られてきました。
- 曲を削除する
- 異議を申し立てる
このときは、どちらかの対応を迫られたんですが、実際には著作権者がどう違反者に対してどう対応するかによって変わります(次の項目で解説)。
ちなみに現在、任天堂(Nintendo)のゲームでは「著作権がフリー」になっていて、これはかなり画期的なことです。
詳細については『YouTubeのゲーム実況は著作権に注意!プレステやニンテンドーは包括的に許可されてます』で解説しているので、興味があれば参考にしてください。
コンテンツIDによる検出を回避するために
コンテンツIDによる検出は「著作権侵害の警告ではない」ものの、あまり頻繁に検出されることは避けましょう。著作権者が悪質だと判断すれば、何らかの対処をしてくるかもしれません。
そもそも、コンテンツIDで検出されないための動画作りが大切です。以下のようなことを意識しましょう。
コンテンツIDを回避するために
- 自分で撮影したオリジナルの動画を作る
- テレビや有料の映像コンテンツを使わない
- 自宅で撮影するときはテレビの音源に注意
- 店舗で撮影するときは有線の音楽にも注意
- 著作権がある素材を使うなら許可を得ておく
- YouTubeのオーディオライブラリを利用する
- フリー素材や商用利用ができる有料素材を使う etc
動画や音楽をコピーして使うなんて論外!
ただ、テレビの音だとかお店に流れているBGMだとか、動画を撮影したとき「音楽が意図せず入り込む」ことは起こり得るので、撮影するときは注意しましょう。
また、YouTubeオーディオライブラリにある音源を使ったり、冒頭でも紹介した「Wondershare Filmora」とか「Canva Pro」にある著作権フリーの素材を使ったりするのもあり。
- Wondershare Filmora|操作性も良くて無料素材も多く用意されている動画編集ソフト
- Canva Pro|ブラウザ上で画像や動画編集ができるツール。無料素材やテンプレも豊富
YouTubeにある無料BGMを使いたいときは『YouTubeオーディオライブラリの使い方』を参考にしてください。
著作権侵害の申し立てに対する対処方法
もし、コンテンツIDによる著作権侵害の申し立てをされてしまったら。以下のような対応策があります。
- 何もしない
- 音源の削除または入れ替え
- 収益の一部を受け取る
- 異議を申し立てる
では、もう少し具体的に説明していきます。
何もしない(対応①)
著作権者による申し立てに「同意」する場合は、こちらは何もする必要はありません。
「著作権者により収益化されています」と表示がされていたら、その動画による収益はすべて著作権者が受けとります。
異議申し立ては、いつでも可能です。
音源を削除するか変更する(対応②)
動画に含まれる「音楽」や「BGM」に対して著作権侵害の申し立てを受けた場合、以下のような対応策をします。
- 著作権の申し立てが行われた部分を動画からカットする
- 曲をオーディオライブラリの音源に置き換える
- 曲をミュートする
これらの対応をすれば、動画を編集し直してアップロードしなくても大丈夫です。
収益の一部を受け取る(対応③)
収益化している動画であっても、著作権者からの申し立てがあれば「収益の一部」しか受け取れなくなります。
YouTube パートナープログラムに参加しているクリエイターは、収益化対象のカバー曲の動画に対し著作権を持つ音楽配信者が申し立てを行った場合であれば、これらの動画からの収益の分配を受けることができます。これらの動画からは、比例配分された収益が支払われます。
引用:YouTubeヘルプ
これは音楽をそのまま使わせてもらう代わりに、著作権者と収益を分配するということ。つまり、収益の一部を放棄することで「ペナルティを回避」できます。
異議を申し立てる(対応④)
もちろん異議申し立てする権利もあります。
- 使用する権利を持っている
- システムの誤認である
こういう場合は、異議を申し立てることができます。
ただし、正当な理由なく異議を唱えた場合は「著作権侵害の警告を受ける」こともあるので、十分に注意して下さい。
正当な理由なしに異議申し立てをした場合、コンテンツ所有者はお客様の動画の削除を選択する場合もあります。その場合、お客様のアカウントは著作権侵害の警告を受けます。
引用:YouTubeヘルプ
もしも、正当な理由がなく著作権侵害の通知が来たときは『著作権侵害!?YouTubeで異議申し立てをする方法!動画が削除されてしまったら』で解説したように、異議申し立てすることも必要です。
著作権者(コンテンツID所有者)はどう対応するのか
自分が著作権者として映像や音楽をコンテンツIDに登録しておくと、無断でそれらが使用されたときに様々な対応が可能。
つまりコンテンツIDの所有者、いわゆる著作権者は「あらかじめどう対応するか」を以下のように決めています。
- 動画のブロック
- 広告を貼って収益化
- 統計情報を追跡
この3つの対応のうち、どれかを選択しているということ(著作権者は国ごとに選択肢を変更することも可)。
もっと分かりやすく説明すると、以下の感じです。
【ブロック】
- 著作権者により動画がブロックされるため、動画が閲覧できなくなる
- 動画を「全世界でブロックする」か「特定の国でのみブロックする」かは著作権者が判断
【収益化】
- YouTube上で動画の再生を許可する代わりに、以下の措置が取られる
- 「視聴状況のデータを閲覧」「動画に広告を表示」「投稿したユーザーと収益を分配」
【追跡(トラッキング)】
- YouTube上で動画の再生を許可する代わりに「視聴状況のデータを閲覧」という措置が取られる
これを平たく説明すると、こんな感じ。
- この動画は見れなくするよ
- 動画は消さないけど収益はこちらがもらうね
- 収益化しても良いけどこちらと折半だからね
- 動画を消さなくていいけどデータは追跡するね
ということです。
このコンテンツIDシステムは、撮影中に「偶然入り込んでしまった音楽」なども感知できてしまう優秀なシステムなので、動画を撮影するときは十分気をつけて下さい。
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